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超音波吸引手術器

【原理、構造】 
概要

  • 超音波振動を組織に加えて破砕し、破砕された組織片を吸引除去する装置である。
  • 脳や肝臓などの実質性組織では破砕が生じるが、血管・線維性結合組織などの弾力に富む組織では振動が吸収され損傷しない。
  • 生理食塩を加えることで、ハンドピースの冷却と同時に、破砕さた組織片を乳化させることで吸引を容易にしている。
  • レーザメスに比べて切開に時間がかかる。

 
構成要素

  • ハンドピース使用後は、高圧蒸気滅菌する。
  • ハンドピースの内部は中空構造である。
  • 超音波振動は電気エネルギーを機械振動に変換する。
  • 超音波振動 : 23~38kHz
  • 超音波振動は、振動子に接続されているホーンに伝達し増幅する。
  • 振動を増幅するホーンは、縦方向に100~300μmの振幅で振動する。
  • 作動はフットスイッチにより行う。

 
 
【超音波振動子】
電歪型振動子

  • PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)
  • 発熱は少ない。
  • 冷却の必要はない。
  • 強誘電体である圧電セラミックス(PZT)
  • チタン酸ジルコン酸塩を使用したランジュバン振動子。
  • 交流電圧により長さが伸び縮みする。
  • ピエゾ効果。

 
磁歪型振動子

  • ニッケル、フェライト、鉄および合金が用いられる。
  • 金属製は渦電流による発熱が大きく蒸留水を用いた冷却(蒸留水を使用)が必要となる。
  • 強磁性体であるニッケル、鉄、磁性フェライト(セラミックス)、その合金を使用。
  • 交流磁場により長さが伸び縮みする。
 
 
【適応】
  • 眼科領域では、白内障手術に使用される。
  • 泌尿器科領域では、結石摘出術などで、硬性鏡ととに使用されている。
  • 脳外科領域では、脳腫瘍摘出などに使用される。
  • 肝臓などの実質臓器の部分的切除、リンパ節郭清の際の脈管の剥離、腹腔鏡下の各種臓器の剥離に使用される。