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低圧持続吸引器

 
【原理、構造】 

  • 吸引器とは、気管や口腔内などの患者の分泌物や手術中の出血・洗浄液などの吸引除去、体腔や術野に挿入したドレーンからの持続吸引のために用いる装置。
  • 吸引源
    • ダイアフラム式ポンプ
    • アウトレット式
    • 電動式
  • 胸腔ドレナージに使用される。
  • ドレーン回路は、胸腔内の陰圧を保持するため閉鎖式である。
  • 呼吸による胸腔内圧の変動によって水封部の水面が上下する。
  • 胸腔ドレナージの単位は cmH2O
  • ドレーンは局所麻酔下を行い挿入する。
  • 吸引源としてアウトレットに接続してから吸引圧をかける。

 
ドレナージ方法

  • ウォーターシールド方式
    • 胸腔内圧が高くなると気体は大気へ押し出されるが、水が弁の役割をしているため、胸腔内圧が陰圧となっても大気は胸腔へ流れないようになっている。
  • 3連ボトル方式
    • -10~-15cmH2Oの陰圧を胸腔内にかけるため、吸引調節ボトルを接続したのも。
    • 吸引調節ボトルに陰圧を除々にかけると管の水面下の圧までは、かけた陰圧が胸腔内に伝わる事になる。

 
 
【取り扱いと安全管理】 

  • ドレナージバックは患者挿入部よりも低い位置に設置する(低圧持続吸引器は吸引圧が低いため、排液の逆流が生じないように)。
  • 水封部には滅菌蒸留水、または生理食塩水を注入する。
  • 水封部は胸腔内への空気の逆流防止の役割がある。
  • 胸腔内の低圧持続吸引器は通常、-5~-20cmH2Oの陰圧で吸引する。
  • 吸引圧は、圧力調整部ガラス管の水中の高さで調整する。
  • 患者胸腔内への空気の逆流を防止するため、吸引回路水封部の患者側ガラス管は水の中に浸ける。
  • 呼吸性変動やエアリークの有無を観察することで、ドレーンの閉塞や回路の異常がないか確認する。