HOME | New臨床工学技士まとめサイト | 治療機器学 | 治療の基礎

治療の基礎

【作用(治療効果)・副作用(危険性)】
印加エネルギー密度と治療効果

  • 治療閾値E1、致死限界E2、治療余裕度。
  • E2-E1と治療効果度 M/Sが大きい方がよい。
  • 治療閾値は小さく、致死限界は大きい方がよい。
  • 主作用の直線の傾きが副作用より大きい方がよい。
  • エネルギー密度を増大させていくにしたがって、主作用と治療効果が増大していく。
    • 印加エネルギー(治療)の種類によって異なる。

 

  
成立しない治療

  • 治療そのものが生体への侵襲行為である。
  • 主作用のみの治療は存在しない。必ず副作用を伴う。
  • 印加エネルギー密度に比例して、主作用、副作用とも増加する。
  • 治療閾値を超えるエネルギー密度で治療効果が現れる。
  • エネルギー密度に対する主作用と副作用の傾きは印加するエネルギーの種類により異なる。
  • 主作用の傾きが副作用より大きければ、治療に用いやすい。
  • 不可逆的な障害は100mW/cm2以上で、エネルギーを取り除いても障害が残る。
  • 治療閾値を超えるとエネルギー密度で治療効果が現れ、反対に致死限界を超えると死に至る。
 
 
 【治療に用いるエネルギーと医療機器】
 
エネルギーの種類 形態 おもな医療機器
電磁波 低周波 除細動器、心臓ペースメーカ、電気刺激装置、低周波治療器(鍼電気刺激、SSP療法、干渉波療法)
高周波 電気メス(モノポーラ、バイポーラ)
超短波 RF波治療機器
極短波 マイクロ波治療機器
レーザ手術装置、光凝固装置、光線治療器
低温 冷凍手術器
常温 パラフィン浴装置、ホットパック、気泡浴装置、輸液用ヒータ
高温 ハイパーサーミア装置、電気焼灼器、ツボ治療器
音波 音波 ESWL(衝撃波)
超音波 超音波吸引装置、超音波凝固切開装置、超音波ネブライザ、超音波結石破砕装置、超音波温熱治療器、超音波トロッカー、超音波治療機器
放射線 電子線 べータトロン、X線装置
陽子線 サイクロトロン
電子/陽子 リニアック
機械力 静圧 高気圧酸素室、吸引器、牽引器
動圧 IABP、人工呼吸器、心血管PCI装置、ウォータジェットメス、輸液ポンプ、自動心マッサージ器、バイブレータ
圧縮ガス 圧縮空気結石破砕装置
 ※装置の問題点
  • 超音波凝固切開装置 : キャビテーション
  • 超音波吸引装置 : キャビテーション
  • 電気メス : 高周波電流による電磁障害、熱傷事故、感電事故、爆発事故
  • 人工呼吸器 : 過剰な換気量設定による圧損傷
  • 高気圧治療装置 : 減圧速度が速すぎると体腔内に気泡を生じ減圧症を起こす。
  • X線照射 : 皮膚潰瘍
  • 紫外線照射 : DNA損傷
  • 赤外線照射 : 熱損傷
  • 電子線照射 : 体表皮膚の障害
  • マイクロ波加熱装置 : 熱傷
  • 熱希釈式心拍出量計 : 不整脈
  • 経皮的酸素分圧モニタ : 低温熱傷、水疱
  • レーザメス : 眼障害