【点検項目】
- 保守点検には日常点検と定期点検がある。
- 保守点検にオーバーホール(劣化部品の交換)は含まれない。
- 保守点検とは、清掃、構成、消耗部品の交換などを言う。
- 日常点検は使用ごとに行う点検である。
- 運転前(始業)点検、運転中点検、運転後(終業)点検がある。
- 血液浄化装置は保守点検計画を要する特定医療機器に含まれる。
- プライミング後(透析前)点検では、血液ポンプの停止を意味する。
【始業時点検内容】
- 装置周辺に液漏れなどの異常がないこと。特に給液口・排液口のホースクランプにゆるみがないこと。
- 装置外装に透析液や薬液などの異物が付着していないこと。
- 電源コンセントが医用コンセント(3P)に接続してあること。
- バッテリーの残量を確認すること。
- 電源コード・ケーブル・コネクタなどに破損がなく、装置に接続されていること。
- 装置からの異音、異臭などがないこと。
- パトランプがすべて点灯すること。
- 冷却ファンのフィルタが汚れていないこと。
- 液晶ディスプレイが見づらくなること。
- 事前水洗が正常終了し、消毒用薬液などが残留していないこと。
- 透析液原液の残量が十分であること(個人用透析装置)
- 透析液作成時の自己診断が正常に終了すること。
- 透析液の温度や各成分濃度、pH、浸透圧が処方どおりであること。
- 新鮮透析液に気泡が混入していないこと。
【使用中点検内容】
- 体外循環回路中からの液漏れ(血液、透析液)や、回路内凝固・溶血がないこと。
- 新鮮透析液中に気泡が混入していないこと。
- 透析装置からの異音・異臭がないこと。
- パトランプが点灯していること。
- バスキュラーアクセスの状態(出血、回路固定など)。
- バスキュラーアクセスからの血液流量の確認。
- 一定時間ごとの自己診断が正常終了していること。
- 抗凝固剤の注入量の確認
- 除水積算量の確認
- 血液チャンバーの液面の確認
【終業時点検内容】
- 使用後に除水誤差などがないこと。
- 透析装置からの液漏れ・異音などがないこと。
- 透析装置外装に血液や薬液などの異物が付着していないこと。
- 消毒液の種類・残量が適正であること。
- 洗浄・消毒工程中に異音動作がないこと。
【日常点検】
- 日常点検において透析モードで設定した除水量と実際の除水量を確認する。
- ROモジュールの圧損失
- 残留塩素の測定
- 透析液電導度の確認
【定期点検】
- 一定の期間(1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月など)毎に、医療機器を詳細に点検し、消耗部品を交換することなどにより、性能維持に努める。
- 外観点検、作動点検に機能点検(機械的特性試験、電気的特性試験、電気的安全性試験)を加えたもので、測定機器などを用いて実施する。
- 圧力計を用いて静脈圧の下限警報および上限警報が発生することを確認する。
- 設置漏れ電流の測定。
- 除水ポンプ精度の確認を行う。
- 血液ポンプの設定量とゲージを用いて圧閉度を調整する。→血液ポンプの設定流量精度の確認
- 脱気ポンプは透析液中に溶存している気泡を陰圧にすることで気泡化し、除去する。脱気ポンプの場合、除水制度に影響を及ぼす。
- 多人数用透析液供給装置には二重の電導度計の設置が義務つけられている。
- プライミング後(透析前)点検では、血液ポンプの停止を意味する。
【故障点検】
- トラブル発生時にスタッフの操作ミスか、医用電気機器の故障かを判断するこので、故障原因の究明を目的としている。