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抗凝固剤

【血液の凝固機序】

 

【ヘパリン(未分画ヘパリン)】

  • 生物由来の抽出物である
  • AT-Ⅲを介してⅡa、Xaを阻害
    • アンチトロンビンⅢ欠乏症の患者には用いることができない。
  • ヘパリンは出血を助長させる。
  • 骨・脂質代謝を障害する。
    • 骨粗鬆症の副作用あり
  • 血小板を活性化させる。
  • 初回投与と持続投与で使用
  • ヘパリンはマイナスに荷電(陰性荷電)している(プラスに荷電している膜に吸着)
  • 半減期は約1~2時間
  • 中和剤としてプロタミンを使用
    • 局所ヘパリン化法という。
  • 血液の凝固時間は血中のヘパリン濃度に依存する。
  • 活性化凝固時間(ACT)やAPTTが使用できる。
  • 慢性維持透析時のACTは180秒程度で管理する。

 
ヘパリンの重篤な副作用

  • ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
    • 免疫機序を介して血小板減少や血栓塞栓症を引き起こす。
    • この副作用が出たときは、ヘパリン、低分子ヘパリンとも使用は禁止。
    • HITを発症した患者にはアルガトロバンを使用する。

 
 
【低分子ヘパリン】

  • AT-Ⅲを介してXaを阻害
    • アンチトロンビンⅢ欠乏症の患者には用いることができない。
  • 半減期は約2~3時間(ヘパリンの2倍)
  • ヘパリンと比べ、作用時間が2倍でありながら、出血傾向を抑えることができる。
  • 軽度の出血傾向の際に使用される。
  • 初回投与と持続投与で使用
  • 単回投与も可能
  • ヘパリン同様にマイナスに荷電している(プラスに荷電している膜に吸着)
  • 分子量約4000~6000程度。
  • 低分子ヘパリンはトロンビン(第Ⅱa因子)を阻害しない(弱い)。
  • 低分子ヘパリンは主に抗Xaのみを介して抗凝固作用を発揮する。抗Xa活性測定の標準化が現代段階では困難であり、ACTやAPTTをモニタリングの指標として使用できない。
    • 低分子ヘパリンには適した凝固時間測定法がない。

 
 
【ナファモスタットメシル酸】

  • 作用機序は蛋白分解酵素阻害である。
  • PAN膜(AN69膜)へ吸着しやすい。
    • ナファモスタットメシル酸は陽性荷電のため、陰性荷電の膜(代表 : PAN膜)に吸着されやすい。
    • 半減期は約8分
  • 出血性病変の患者に使用される。
  • 溶解するときはブドウ糖液を使用し、生理食塩液は白濁するので使用しない。
  • 高カリウム血症の副作用
  • ナファモスタットメシル酸はアレルギー作用を惹起する。
  • ナファモスタットメシル酸は、セリンプロテアーゼ阻害財であり、プロテアーゼの活性化を抑制することにより凝固因子の活性化を抑制する。

 
 
【アルガトロバン】

  • アルガトロバンの抗凝固作用はAT-Ⅲを介さずに発現する。
  • アルガトロバンはトロンビンの作用を阻害する。
  • ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)を併発した患者に対し使用される。
  • 半減期は30分程度

 
 
【クエン酸ナトリウム】

  • 血中のCaイオン(IV因子)をキレートして、血中Ca濃度を低下させることで抗凝固作用を発揮する。
  • 低カルシウム血症の誘因となる。
  • テタニー症状に注意する。

 

 

【AT-Ⅲ欠乏症の患者に使用する抗凝固剤】

  • メシル酸ナファモスタット
  • アルガトロバン

 
 
【抗凝固作用を示す、内服薬】
小児用バファリン

  • 抗血小板作用
  • 主成分はアスピリンです。
  • アスピリンが抗血症板作用を強く表すのは、量が少ない時に作用する。
  • 透析患者さんにバファリンを処方するときは、透析患者が大人であっても小児用バファリンを処方することが多い。

 
ワーファリン

  • 還元型のビタミンKの生成を抑制することで、プロトロンビンの産生を抑制する。
  • そのため納豆やクロレラ、緑葉野菜などのビタミンKが多く含まれている食べ物は、控えるよう指導が必要。

 
パナルジン

  • 抗血小板作用