【透析液供給装置】
- 2液混合型では原液をRO水で希釈した後に、混合する。
【透析装置(患者監視装置) 監視項目】
血液系 | 透析液系 |
気泡検出器・・・超音波 静脈圧・・・ストレインゲージ 血液流量・・・150~200mL/min |
漏血検出器・・・光(赤外線) 濃度計・・・・電導度 温度計・・・サーミスター 透析液圧力・・・ストレインゲージ 除水量 透析液流量・・・ 400~500mL/min 透析液温度・・・36~38℃ 透析液浸透圧 ・・・・ 280mOsm 透析液濃度(電導度)・・・13.5~14.5 mS/cm 気泡検出器検出感度・・・1mL以上の気泡通過 漏血検出器検出感度・・・Ht値20%の血液、0.5cc通過 |
透析液濃度
- 透析液の濃度測定を連続的に行い、設定値に対して±3%以上の濃度異常が発生した場合には、ダイアライザヘの供給を自動的に停止する。
- 濃度の測定法は透析液中に最も多く含まれているナトリウムと電導度が相関することを利用している。
- 電導度を測定(濃度上昇では電流が流れやすい)
透析液温度
- 透析液は加温装置により設定温に温められて供給されている。そのため透析液の温度測定を連続的に行い、異常が発生した場合には、ダイアライザヘの供給を自動的に停止する。
- 温度の測定法は一般的にサーミスタが使用されている。
- 透析液供給装置やコンソールなど複数の場所で測定
- 35~40℃の設定。
- 41℃以上になると警報を発し、ダイアライザへの供給が停止される。
気泡検出
- 静脈回路側に設置する。
- 現在は、超音波方式を用いる。
- 気泡センサには送受信ともピエゾ圧電素子が用いられている。
- この気泡検出器はクランパと連動しており、気泡を検出するとクランプが自動的に閉じて血液回路を遮断し、患者側へ気泡が送られるのを防止する。また血液ポンプも自動的に停止する。気泡検出器は静脈側ドリップチヤンバ下部のチューブに取り付ける。
- 血流量200mL/minで、1.0mLの単独気泡が検出部を通過したときに警報が作動することが求められる。
漏血計
- 透析膜の損傷などにより血液が透析液排液側(出口側)に漏れていないかを常に監視する。
- 測定原理は透析液排液に光(赤外光)を照射し、対向部でその透過光を捉え、血液が混入したした場合には透過光量に変化が生ずるので判別できる。
- 赤外線方式を用いる。
- 漏血計は透析液排液側に付いており、漏血を検出した場合にはクランパが自動的に閉じて血液回路を遮断する。また、同時に血液ポンプ、透析液供給も停止し、血液中に透析液の細菌、エンドトキシンが流入することを防いでいる。
- ヘマトクリット値20%の血液が、37℃、1Lの透析液中に0.5mL(500ppm)漏血された状態で警報が作動することが求められる。
静脈圧・透析液圧
- 透析液圧は静脈圧の影響を受ける。
- 除水がない場合でも、透析液圧は0mmHgにはならない。 → 0mmHg以上(静脈圧の影響)
- 測定は半導体センサ、ストレインゲージを用いる。
- 静脈圧の上昇は返血側穿刺針の凝血、静脈側回路の閉塞・折れ曲がり・血液凝固などによって起こる。逆に静脈圧の下降は脱血・返血針の脱落によって起こる。
- 一方、透析液圧はダイアライザ内を流れる透析液の圧力を監視する。また、陰圧により限外濾過圧を加え、除水コントロールに関与する。
- 静脈圧・透析液圧ともに定常値に対して±40~50mmHgの範囲で上限・下限警報を設定する。
- 静脈圧ドリップチャンバーの位置を高くすると、静脈圧の指示圧は低くなる。
透析流量
- 通常、透析液の流量は通常500mL/分に設定してあるが、常時監視する必要はなく、日常の透析施行時に流量計で確認するだけでよい。
除水制御装置
- 除水制御部の機構は、密閉容量制御方式が一般的である。
その他
- 起動時に自己診断機能を用いて透析回路閉鎖系および血液系の各機能の動作チェックを行う。
- エンドトキシン補足フィルタ装着装置では、エンドトキシン補足フィルタのリークテストを実施している。
- カプラ内のOリングはエンドトキシン汚染の原因の一つである。
【除水制御方式(密閉容量方式)】
- ダブルチャンバー方式
- 複式ポンプ方式
- ビスカスコントロール方式 →透析液側に除水ポンプの必要はない