HOME | New臨床工学技士まとめサイト | 血液浄化療法 | 透析の適応・目的

透析の適応・目的

【透析の適応・目的】

 電解質のバランス調整
  • 過剰電解質や不足電解質の調整を行う。
    • ナトリウム:限外濾過にて除去
    • カリウム:拡散にて除去
    • 重炭酸:血液側に補充される。

 
体内の余剰水分を除去する

  • 血液透析では、除水は大きな目的の1つである。治療問で増加した過剰な水分を除去する。
  • 容量依存型高血圧は体液過剰により生じる高血圧で、塩分や水分の過剰摂取により生じる。透析により除水を行い、ドライウエイトに近づけることで血圧を下げることが可能である。

 
代謝性アシドーシスの是正(酸塩基平衡の調整)

  • 腎不全による代謝性アシドーシスの是正に、重炭酸イオンや酢酸イオンなどのアルカリ化剤が透析析液に含まれている。

 
クレアチニンの除去

  • 尿素、クレアチニン、尿素などの代謝産物や老廃物などが体内に蓄積するため、生体腎に変わり除去する。

 
高尿素窒素の是正

  • 窒素を含む蛋白代謝産物(尿素など)、尿酸、クレアチニンなどが腎不全によって尿中に排、推されにくくなり、血中で高値を示す状態である。そのため、半透膜を介して患者の血液と透析液を接触させることで血中から過剰となった蛋白代謝産物等を除去し、体液の是正が行われる。

 
水溶性薬物の除去

  • 水溶性の薬物や生体内に侵入した薬物は肝臓で代謝、解毒されるが、腎機能の低下もしくは機能廃絶された腎不全状態では蓄積が問題となり、透析によって除去する。
  • ただしタンパク結合率の高い薬剤や分子量の大きい薬剤は血液透析で除去されにくい。

 
β2-MGの除去

  • 透析アミロイドーシスの予防には、アミロイドの前駆物質であるβ2ミクログロブリンの除去が有効とされているため、積極的に除去すべき物質である。
 

透析のクリランス
透析では、小分子量物質のクリアランスは大きいが、大分子量物質のクリアランスは小さい。

物質 分子量
ナトリウム 23
尿素窒素(BUN) 28
尿素 60
クレアチニン(Cr) 11
ビタミンB12 1355
イヌリン 5200
β2-MG 11800
ミオグロビン 17500
血清アルブミン 68000