【充填液に使用】
- 人工心肺による体外循環においては、血液粘度を低くして、臓器・組織における末梢循環を円滑にし、また使用血液量節減のために血液希釈を行うのが一般的である。しかし酸素運搬の面からおのずと希釈に限界がある。
- 通常はヘマトクリット値が20~25%となるように希釈を行う。
充填液に使用される主な薬剤とその目的
乳酸加リンゲル液(ハルトマン) | 500mL | 細胞外液に類似、総充填量、希釈率の調整 |
血漿増量薬(ヘスパンダー) | 500mL | 膠質浸透圧の保持 |
代用血漿剤 | 膠質浸透圧を保持することができ、充填量の調節 | |
マニトール | 150mL | 浸透圧の調整、利尿 |
重炭酸ナトリウム(メイロン) | 100mL | アシドーシスの補正 |
ヘパリン | 抗凝固剤 | |
プロタミン硫酸塩 (プロタミン ) | ヘパリン中和目的 | |
炭酸水素Na | アシドーシスの補正 | |
濃厚赤血球 | 希釈率の是正(低ヘマトクリット値状態の回避) | |
アルブミン製剤 | 膠質浸透圧の維持 | |
アプロチン | 血小板保護作用、術後出血抑制 | |
ハプトブロビン | 溶血により生じた遊離ヘモグロビンを捕捉、腎不全予防 | |
乳酸リンゲ、ル液(ラクテック) | 人工心肺充填液として使用 | |
リドカイン塩酸塩(キシロカイン) | 心室性期外収縮の抑制薬として使用 | |
フロセミド(ラシックス) | 利尿薬として使用 | |
抗生剤 | 術後感染予防目的として使用 |