【概要】
ポテンショメトリック法
- 電極間に発生する電位差から対象物質の量を測定する
- pH
- PCO2
アンぺロメトリック法
- 電極間に流れる電流値から対象物質の量を測定する
- PO2
【pH計測】
- ガラス電極を用いる。
- pHはガラスメンブラン内部の水素イオンの濃度勾配によって発生するのは膜電位である。
- pH電極は、ガラス膜両端に発生した電位を測定する電位差測定法(ポテンショメトリック法)を用いている。
- pH電極は、pHに感受性のあるガラス膜を用いたガラス電極である。ガラス膜の外側と内側の間にpHの差に比例した電位差が生じる。この電圧の変化を測定することでpHを求める。
【O2計測】
酸素濃度(分圧)
- クラーク電極 : アンペロメトリック法は電圧を印加し電流を測定する。
- クラーク電極は陽極に銀-塩化銀電極、陰極に白金電極、酸素透過膜にポリプロピレン膜、ポリエチレン膜、テフロン膜などが使用される。
- PO2はテフロン膜がO2を透過することを利用して計測される。
- 血液の酸素分圧(PO2) の測定にはクラーク電極を使用する。
- PO2は、電圧を印加した電極で生じる酸化還元反応による電流を検出して測定する。
- クラーク電極内には緩衝液が封入されており、酸素透過膜を介して血液サンプルの酸素が拡散すると、緩衝液内の電極対の陽極側で還元反応を示し、陰極側に還元電流が発生する。この電流を測定することでPO2が求まる。
- ポーラログラフとは、溶液に浸漬した2種類の金属間に一定の電圧を印可すると溶液の濃度に応じた電流が流れることを利用した測定法であり、酸素分圧測定に用いられている。アンペロメトリック法と同じ計測方法を指す。
ガルバニックセル式
- カソード(白金)とアノード(銀塩化銀)で一対の電極を構成。
- 電解液(リン酸緩衝液)を満たした溶液内に置き、ポリプロピレンやテフロンなどのガス透過膜を隔てて外部と遮断する。
- ガス透過膜を透過した酸素濃度(分圧)に比例して拡散限界電流が流れ、これを測定することにより酸素濃度(分圧)を求める(アンペロメトリック法)。
【CO2計測】
二酸化炭素分圧
- セバリングハウス電極 : ポテンショメトリック法は電流を印加して電圧を測定する。
- PCO2測定は、テフロン膜を透過したCO2がスペーサに移動すると、スペーサのpHが変化し、PCO2に応じた電位が発生する現象を利用する。このpHの変化を測定することで間接的にPCO2を測定できる。
- PCO2はテフロン膜がCO2を透過することを利用して計測される。
- 血液の二酸化炭素分圧(PCO2) の測定はpH測定の応用である。
- PCO2電極では、電極表面のCO2透過膜を通過したCO2がスペーサ内で重炭酸緩衝液と反応して生じる水素イオンH+濃度の変化をpHガラス電極で検出している。
- 電極にはガラス電極をスペーサ(ナイロン膜)で覆い、二酸化炭素透過膜としてテフロン膜を配置したセバリングハウス電極を使用する。
- テフロン膜はH+を透過せずセバリングハウス電極内に封入された緩衝液には二酸化炭素のみが移動するので、pHを測定することで間接的にPCO2が求まる.
【グルコースセンサ】
- 酵素センサで計測。
- グルコースオキシターゼ等の酵素を含む酵素固定膜をもつ酵素センサである。
- グルコースはグルコースオキシターゼの作用により、酸素を消費してグルコノラクトンと過酸化水素を生成する。
- 消費された酸素の量か、過酸化水素の増加を測定しグルコースの濃度を求める。
【経皮的血液ガス分析装置】
- 非侵襲的な測定方法である。
- 使用する電極としては、O2分圧測定にはクラーク電極、CO2分圧測定にはセパリングハウス電極を使用する。
- 測定時は測定部位を加温(42~44℃)することにより細動脈の血流を増加させる必要がある。
- 長時間加湿することにより低温熱傷を引き起こすことがあるため、2~3 時間ごとに測定部位を移動させる必要がある。
- 新生児の場合は採血を行うことが困難であることから、非侵襲的な方法として新生児の呼吸管理に用いられることがある。
- 経皮的な二酸化炭素分圧測定では、表皮の基底細胞層での代謝による二酸化炭素の産生により、動脈血の二酸化炭素分圧よりも常に高い値を示す。
- 動脈血からのガス拡散が角質層を通過して皮膚上に達するため、皮膚面で動脈血のガス分圧を測定できる。
- 皮膚の透過性の良い新生児に比較して、成人に用いた場合、測定酸素分圧が動脈血酸素分圧より低くなることが多い。
【 ISFET】
- イオン感応性電界効果型トランジスタ
- ゲート面に種々の感応膜とを一体化することでイオンセンサ(pH、Na、K)やガスセンサ(O2、CO2)として使用できる。
- ガスセンサなどに酵素、微生物など固定することで、グルコース、尿素、乳酸、アミノ酸などの測定ができる。
【二酸化炭素含量】
- バンスライク検圧計を用いた分析方法は、血中のガス成分を遊離・抽出した時の気体圧力と、気体中の二酸化炭素を除去した時の圧力との差を求め、二酸化炭素の含量を計測する手法である。
- バンスライク検圧計による計測は煩雑で計測時間も長いことから、現在では電極を用いた計測法が主流になっている。