【聴診法(コロトコフ音)】
- 聴診法では血管内に発生するコロトコフ音(K音)を聴取する。
- カフの位置を心臓と同じ高さに合わせて計測する。
- コロトコフ音により最高血圧、最低血圧が測定できる。
誤差要因
誤差要因 | 測定血圧 | 対策 | |
最高 | 最低 | ||
測定部位が心臓より高い | 下がる | 下がる | 心臓と同じ高さにする。 |
測定部位が心臓より低い | 上がる | 上がる | |
カフ幅が狭すぎる | 上がる | 上がる | 患者にあったサイズ(成人・小児)のカフを使用する |
カフ幅が広すぎる | 下がる | 下がる | |
カフの巻き方が緩い | 上がる | 上がる | 指が1~2本入る程度に緩める。 |
カフの巻き方がきつい | 下がる | 下がる | |
脱気速度が速すぎる | 下がる | 上がる | 1心拍当たり2~3mmHgで下げる。 |
水銀柱が傾いている | 上がる | 上がる | 水銀柱をまっすぐに立てる。 |
水銀量が少なすぎる | 下がる | 下がる | 水銀の補充。 |
空気フィルタが汚れている | 上がる | 上がる | フィルタの交換 。 |
脱気速度が異常に速い | 最高・最低の脈圧差が少ない。 | 水銀血圧計で確認し、機器の故障が考えられる場合は交換する。 | |
脱気機構が故障している |
【触診法】
- マンシェット等の圧迫遮断された脈動(血流)の再開する点から最高血圧を測定する方法である。
- 最低血圧は判断できない。
【オシロメトリック法】
- オシロメトリック式自動血圧計ではマンシェットを上腕部に巻いてカフ圧で動脈を圧迫する。
- マンシェット内で、は動脈の圧変化に伴って動脈壁が振動する。
- 上腕に装着するカフは、腕の太さの1.2倍の幅のものを使用する。
- 振動を検出してマイクロコンピュータで分析することで血圧を測定している。
- オシロメトリック法を含む間欠法では、カフによる加圧で上腕を圧迫したのち、カフを減圧する過程で血圧を得る。
- オシロメトリック法で検出しているカフ内に生じる微細な圧振動は、動脈の拍動に由来する。
- オシロメトリック法は、カフを加圧し減圧してし、く過程で生じる、血管壁の振動を反映したカフ圧の変化(微小圧振動) で血圧を測定する。
- 微細な圧振動が最大となったときのカフ圧が平均血圧に近似するため、オシロメトリック法では平均血圧を直接得ることができる。
- 振動の変化率が最も大きくなった時点が最大血圧、最も小さくなった時点が最低血圧となる。
- カフの位置は右心房と同じ高さにしないと測定誤差が生じる。
- カフの減圧に伴う振動変化を検出するため、1心拍ごとの血圧は測定できない。
- カフ内の圧振動を検出しているためマイクロフォンは不要で、あり、周囲の環境音には影響されない。
- 血圧測定と同時に脈拍数も測定できる。
- カフ内に伝わる振動を装置内の圧力計(ストレインゲージ)で検出して血圧を測定する。
- 血圧による血管の容積変化をカフ内の微小な圧力振動として検出する。
- タイコス型アネロイド式の圧力計は聴診法や触診法で使用する。
【トノメトリ法】
- トノメトリ法は通常、橈骨動脈を用いて血管が骨(榛骨)に支持された状態で血管から直接的に血圧を計測する方法である。
- トノメトリ法は、血管壁を介しての圧平衡を利用して皮膚上のセンサエレメントに働く圧力を計測する。
- 1心拍ごとの血圧が測定できる。
【容積補償法】
- 容積振動法を用いた計測では最低血圧の判定はできない。
- 血圧波形を連続的に測定できる。
- 1心拍ごとの血圧が測定できる。
- 血管を外部から加圧していくとき、圧迫部位における血圧とカフ圧の差は、血管壁に作用する圧脈波を生じ、容積脈波として計測される。
- 容積振動法は、加圧部直下の血管運動または容積脈波を検出する。
- 容積補償法は、血管内圧変化に伴う血管壁の変位運動あるいは血管内容積変化を検出する。
【脈波計】
容積脈波計
- 脈波計には、圧電素子によって頚動脈、頚静脈の拍動、または心尖部の心臓の拍動に伴う皮膚表面の微小変位(心尖拍動など)を記録する脈波計、拍動に伴う指先などの毛細血管の変化を検出する脈波計(指先容積脈波計)がある。
- 脈波を検出したい部位に電極を装着し微弱な高周波電流を流し生体組織内のインピーダンス変化から容積変化を測定する方法などがある。
- 指尖容積脈波計は、指先より照射した光の透過光または反射光をCds(光導電素子)やフォトダイオードまたはフォトトランジスタなどの光センサで検出する装置である。
光電脈波計
- 透過光または反射光の減衰によって拍動に伴う毛細管動脈の容積変化を測定する。
- 透過型
- 発光部と受光部の間に被測定部位(指、耳朶など)を挿入する
- 反射型
- 発光部と受光部が同一平面上に並ぶ構造であるため装着部位の制限が少ない。
- 任意の部位での測定が可能である。