【概要】
- 構成要素
- カテーテル
- 血圧トランスディーサ
- ヘパリン入り生理食塩液
- 三方活栓
- フラッシュデバイス
- 連続した血圧波形が得られる。
- カテーテルから圧力トランスデューサまでの回路内腔は、ヘパリンを加えた生理食塩液で満たす。
- 圧力トランスデューサまでの回路で、共振が起こらないようにするため、延長チューブは、できるだけ太く、短く、硬い材質のものを使用する。
- ヘパリンを添加した生理食塩液をフラッシュデバイスから持続投与するため、加圧バッグに生理食塩液のソフトバッグを装着して200~300mmHg程度に加圧する。
- 回路内の三方活栓から動脈血採血が可能である。
【血圧トランスデューサ】
ストレインゲージ(血圧トランスデューサ)
- 観血式血圧計では、血圧トランスデューサによって血圧が電気信号に変換される。
- トランスデューサには、主にストレインゲージ(ひずみゲージ)が用いられており、それをブリッジ回路に接続することで電気信号に変換する。
- カテーテル閉塞予防のためにへパリンを加えた生理食塩水を持続的に注入する。
- トランスデューサーは右心房と同じ高さにする。
測定誤差
- ゼロ点のドリフト(ずれ)はあたかも大気圧が変化したようになるのでドリフトした分だけ誤差となる。
- 血液が凝固すると圧力がトランストランスデューサに正しく伝わらなくなり誤差となる。
- 気泡が混入すると圧力がトランストランスデューサに正しく伝わらなくなり誤差となる。
- 圧力トランスデューサーの鉛直方向の移動(高さ変化)
- カテーテル先端が詰まると最高血圧は低く測定される。
- カテーテルが共振すると波形の振動幅(peakto peak)が大きくなり、測定値は最高血圧が高く、最低血圧が低く測定される。
観血式血圧計測において血液逆流の原因
- 血圧ラインの接続部の緩み
- 三方活栓の操作ミス
- 加圧バックの圧力不足
波形が歪む(ダンピング)原因
- カテーテル内での気泡混入
- カテーテル先端での血栓形成
- カテーテル先端での先当たり
【対処方法】
- 測定ラインに血液の逆流が見られたため加圧バッグの圧力を確認した。
- 術中に体位変換したためトランスデューサの高さを確認した。
- 共振が見られたため導管チューブを短いチューブに変更した。
- 共振を防止するためダンピングデバイスを用いる。
- 温度によるドリフトを防ぐため予め血圧計の電源を入れておいた。
- 血液凝固塊は、三方活栓からの吸引によって取り除く。
【中心静脈圧の計測】
- 中心静脈圧は観血式測定法で計測できる。
- 中心静脈圧はカテーテルを血管から心臓内に挿入して直接血圧を測定する(サーモダイリュージョンカテーテルにて)。
【平均血圧】
- 血圧信号は平均血圧に脈圧が乗った形としてとらえると、平均血圧は血圧信号の直流成分と考えられる。
- 血圧波形から平均血圧を取り出すには、波形を平滑化することで求めることができる。
- 積分回路(高域遮断フィルタ)