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呼吸モニタ

【インピーダンス式呼吸モニタ】

  • 患者監視装置において呼吸数をモニタする。
  • 皮膚に貼った電極から微弱な高周波電流(周波数20~100kHz、100μA以下の交流)を体内に流す。
  • 体表にセットした電極から電流を検出して生体のインピーダンスの変化を測定し、呼吸、心拍出量などを計測する。
  • 吸気時には肺内の空気が増加するため、胸郭のインピーダンスは増加する。
  • 心電モニタ用電極と兼用し、心電図と呼吸を同時に計測することが可能である。

 
 
【パルスオキシメータ】 

  • 赤色光と赤外光の2波長により、ランバートベールの法則を用いて血流の吸光度を測定し、脈波の特徴を利用して1心拍ごとの動脈血酸素飽和度を測定する。
  • 体内に投与された色素(インドシニアングリーン、メチレンブルー、インジコカルミンなど)の影響をうける。
  • パルスオキシメータは動脈拍動を検出しているので心拍数をモニタできる。
  • 心室細動中では計測できない。
  • 末梢循環が低下している部位での測定は信頼性に乏しい。
  • 一酸化炭素と結合したヘモグロビンは測定値に影響する。
  • 赤色光と赤外光の2波長を交互に発光させて測定する。
  • オキシヘモグロビンの赤色光に対する吸収係数はデオキシヘモグロビンより小さい。
  • デオキシヘモグロビンは、オキシヘモグロビンよりも赤色光を高率に吸収する。一方、オキシヘモグロビンは、デオキシヘモグロビンよりも赤外光を高率に吸収す。
  • 酸素飽和度が低くなる(デオキシヘモグロビンの割合が増加する)と赤色光の吸収が増加する。
  • 異常ヘモグロビンの1つであるメトヘモグロビンは、赤色光を高率に吸収する。
  • デオキシヘモグロビンと吸光特性が類似していることから、メトヘモグロビンの増加では、実際よりも酸素飽和度が低値を示す場合がある。

 
 
【カプノメータ】 

  • 呼気終末二酸化炭素濃度を測定する装置である。
  • ランバートベールの法則を用いて、二酸化炭素の赤外光吸光度の測定により呼気の二酸化炭素分圧を連続的に計測する。
  • 赤外線の吸収特性を利用している。
  • 経時的にモニタすることができる。
  • カプノメータは呼気から二酸化炭素分圧を計測し、呼吸の状態を把握できる機器である。
  • 二酸化炭素は4.3μmの波長を良く吸収するという特徴があり、この吸収の変化から吸気と呼気を区別ができる。
  • 赤外線の減衰量はCO2濃度に比例する。
  • 赤外線検出素子はサーモパイルを用いる。
  • 変化をグラフにしたものをカプノグラムといい、 自発呼吸の出現(第Ⅲ相の凹み)や再呼吸(ベースラインの上昇)などが把握できる。
  • カプノメータには呼気を直接センサーで計測するメインストリーム型と呼気をチューブで連続的に吸引して計測するサイドストリーム型に分けられる。
  • カプノグラムのベースラインの上昇は再呼吸が疑われる。
  • 呼気ガス中の二酸化炭素分圧(濃度)を測定し換気状態の情報を得ることができる。
  • 呼吸停止による換気状態の悪化を素早く検知できる。
  • 麻酔ガスとして使用されるN2O(亜酸化窒素)ガスは4.3μm付近も含む赤外線を吸収するため、N2Oガス使用時には補正が必要となる。
  • 絶対値式は、測定前に空気または窒素でO点校正を行い、回路内を流れるCO2の赤外線吸収量から呼気及び吸気中のそれぞれのCO2分圧を測定する。
  • 吸気補正式では、吸気時にはCO2がなく、吸気時にO点構成を行なっているため、測定前のO点校正が必要ない。

 
 
【メインストリームとサイドストリームの違い】
メインストリーム

  • 呼吸器回路にセンサを備えたアダプタを挿入し、回路に流れる二酸化炭素を直接計測する。
  • 応答性が良いという利点がある。
  • 呼吸回路にセンサーを付けるため回路を屈曲してしまうなどの欠点がある。
  • 水滴混入によるトラブルが比較的少ない。
  • メインストリーム方式のセンサは赤外線の光源、フィル夕、検出素子からなる。
  • 赤外線の検出素子として、サーモパイル、PbSe光導電素子、Ge-As光電セルなどがある。

 
サイドストリーム型

  • 呼吸回路からサインプリングチューブを用いる。
  • 呼吸回路に負担にはならない。
  • メインストリームより応答性が悪く、チューブ内は水滴の影響を受けやすいという欠点もある。
  • 測定に時間的な遅れが生じる。
  • 非挿管患者に使用できる。