【ウィーニングの基準】
呼吸機能以外の離脱条件
- 因子病変が落ち着いている
- 循環動態が安定していること(HR、BPの上昇、下降がないこと)
- 栄養状態が安定していること(必要カロリーの摂取、アルブミン値の低下がないこと)
- 水・電解質、酸塩基平衡のバランスが安定していること。
- 意識レベルが改善していること。
呼吸機能からの離脱基準
- 換気予備力
- 呼吸数(回/分)<30
- 肺活量(ml/kg)>15
- 1秒量(ml/kg)>10
- MIP(絶対値cmH2O)>25
- 分時換気量(l/分)<10
- 酸素化能
- PaO2(FIO2=0.4)(Torr)>80
- AaDO2(FIO2=1.0)(Torr)<350
- 換気能力
- PaCO2(Torr)<50
- VD/VT <0.58
- 肺内シャント率 < 25%
慢性呼吸不全
- 症例ごとの差が大きく、数値で表すことは難しい。
- ウィーニングに先だって、感染のコントロール、循環の安定、栄養状態の改善などを総合的に考慮することが重要である
【ウィーニングの方法】
- ウィーニングの判断は自発呼吸トライアルが有用である。
- on-off方式によるウィーニング
- 人工呼吸器を外して自発呼吸の時間を徐々に増やしていく方法。
- IMVによるウィーニング
- 患者は自由に呼吸し、間欠的に設定された回数で、しかも設定された1回換気量で強制煥気を受ける。
IMVの回数を徐々に減らすことで、人工呼吸器からの離脱を目指す。 - PSVによるウィーニング
- 支持圧を徐々に下げながら人工呼吸器からの離脱を目指す。
- CPAPによるウィーニング
- SIMVによるウィーニング
呼吸機能からの離脱基準に関するSBT(自発呼吸トライアル)成功基準
- 人工呼吸器離脱に関する 3 学会合同プロトコル (2015.2.28) によれば、SBT 成功基準は、
- 呼吸数<30 回/分
- 開始前と比べて明らかな低下がない(例えば SpO2≧94%、PaO2≧70 mmHg)
- 心拍数<140 bpm、新たな不整脈や心筋虚血の徴候を認めない
- 過度の血圧上昇を認めない
- 以下の呼吸促迫の徴候を認めない (SBT 前の状態と比較する)
- 1) 呼吸補助筋の過剰な使用がない
- 2) シーソー呼吸(奇異性呼吸)
- 3) 冷汗
- 4) 重度の呼吸困難感、不安感、不穏状態
【ウィーニングの中止】
- 血圧の低下又は上昇(収縮期で20mmHg以上)
- 脈拍:毎分20回以上の上昇又は、110/分以上
- 呼吸数:10回/分以上の上昇、又は30回/分以上
- 一回換気量<4ml/Kg
- PaO2<50mmHg (FiO2:0.4)
- PaCO2>50mmHg
- pH<7.35
- 重篤な不整脈の発生、血圧低下、不穏状態の出現、X写真の評価
- 自力痰喀出困難
【ウィーニングによる呼吸筋疲労で見られる身体所見】
- 発汗
- 肺胞低換気による高二酸化炭素血症の症状
- 奇異呼吸
- 呼吸筋疲労をきたすと努力呼吸がみられる。正常の腹式呼吸では、吸気時に腹部が膨隆し呼気時に陥凹が、これとは逆に吸気に腹部が陥凹し、呼気時に膨隆する呼吸形式を奇異呼吸という。
- 血圧変化
- 肺胞低換気によるPaCO2上昇および、PaO2低下の症状である。
- 頻脈
- 呼吸数増加