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人工呼吸療法の設定

【開始基準】 

呼吸数(換気回数) 5回以下または40回以上
呼吸パターン 努力性呼吸
肺活量(VC) < 10~15 mL/kg以下
1回換気量 < 3~4mL/kg以下
1秒率(FEV1) < 10mL/kg以下
最大吸気力(MIP) > -25cmH2O以上
※以上ということは、数値的に-15、-5、0と大きくなること(吸引力が少ないことを意味する)
肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDo2) > 350~450mmHg以上(100%酸素吸入時)
PaO2/FIO2 P/F) <200mmHg以下
動脈血酸素ガス分圧(Pao2) < 50mmHg以下(空気呼吸時)
< 70mmHg以下(FiO2=0.4)
シャント率(FIO2=1.0) > 50mmHg以上
死腔換気率(VD/VT) > 60%以上

 
 
  【目標とする換気条件】

 
項目 目標値
動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2) 30~45mmHg
吸気終末炭酸ガス濃度 4%~6%
動脈血酸素分圧(PaO2) 90~110mmHg
但し、慢性閉塞性呼吸器疾患(COLD)の場合には、pHを正常範囲に保つように換気量を調整

 
呼吸器関連単位

  • 呼吸仕事量・・・・kg・m・L^-1
  • 肺活量・・・・L
  • シャント率・・・・%
  • 肺コンプライアンス・・・・mL/cmH2O
  • 気道抵抗・・・・cmH2O / L / sec

 
 
 【初期設定】

 
項目 設定値
一回換気量 10ml/kg(500mL)
呼吸回数(換気回数) 10~15回/分(成人)
I:E比 1:2
吸入気酸素濃度(FiO2) 50%~60%以下(0.4~1.0)
(厳密には症例によって異なる)
PEEP 症例により選択(3~5cmH2O)
圧トリガー感度 -2~-3cmH2O
フロートリガー感度 2~3L/min
ベースフロー 5~10L/min
回路内圧上限 40mmHg以下

 

  • 人工呼吸器の設定で1回換気量を変えずに呼吸数を8回/分から12回/分に増加させた時の予測される変化
  • 平均気道内圧の上昇
  • 動脈血二酸化炭素分圧の低下
  • 呼気終末二酸化炭素分圧の低下
  • I:E比の増加 →呼吸の周期は呼吸数が増加するため短くなるが、吸気時間は変化しないため

 
 
【吸気トリガ】

  • 回路の水たまりなど、閉塞が起きると吸気努力が検知できないので誤動作を生じる。
  • 吸気努力にトリガして送気が開始される。
  • トリガ感度の点検は、圧トリガー、フロートリガーともテスト肺で点検できる。
  • ARDSではトリガ感度を上げる。
  • 圧トリガー
      • 回路内圧の陰圧レベルをモニタして動作する。
      • 初期設定 : -1~-2cmH2O
      • 圧トリガは設定した陰圧に達するまではフローの変化がない。
  • フロートリガー  
      • ベースフロー(5~10L/min)を流し、吸気回路と呼気回路の流量を比較して動作する。
      • 初期設定 : 2~3L/min
      • フロートリガーは常に定常流が流れているた、圧トリガーが上がり患者の呼吸困難が少ない。
      • フロートリガは圧トリガよりも応答性がよい。
  • トリガー感度を上げるとは・・・?
      • わずかな呼吸努力も検知して送気するので呼吸感は減少する。