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酸素濃縮器

【酸素濃縮器】
膜分離方式

  • 膜型酸素濃縮器は、酸素透過性の高い膜を用いて、酸素を透過させ、窒素を排気する。
  • 最大 6 L / minで供給可能なものがある。
  • 膜型酸素濃縮器の酸素濃度は40%程度が限界とされる。
  • 膜型酸素濃縮器は除湿していないので、加湿器は不要である。
  • 膜型は、富化膜(高分子膜)を使用している。
  • 膜モジュールの交換は不要である。

 
 
吸着分離方式

  • 吸着型酸素濃縮装置は酸素と窒素を分離し、選択的に窒素を吸着する性能を持つ吸着材(ゼオライト:アルミノケイ酸塩)を用いて、高濃度の酸素を発生させる装置。
  • 1~数年で交換が必要になる。
  • コンプレッサから圧縮空気が吸着筒へ送り込まれる。
  • 吸着筒で濃縮された酸素はサージタンク(貯留槽)に貯蔵し、加湿器で加湿され、患者へ供給される。
  • 吸着材は、窒素だけでなく空気中の水分も吸着するため加湿器が必要となる。
  • 酸素濃度は、90~93%。
  • 最大 2~7 L / minで供給可能なものがある。

 
 
まとめ

  膜型酸素濃縮器 吸着型酸素濃縮器
酸素濃縮原理  酸素透過膜(高分子膜)の一側を減圧することにより減圧側に、大気中の酸素を濃縮し、濃縮酸素ガスを作り出す。  ゼオライト吸着剤(アルミノケイ酸塩)を充填している吸着筒を用いて空気中の窒素を高圧下で吸着する。
 ゼオライト吸着剤は水分も吸着する。
 ゼオライト吸着剤には多数の細孔があり高圧下で窒素を選択的に吸着、減圧下で再放出する特性を持っている。
 通常、機器本体には2本の吸着筒が組み込まれており、一方で加圧して酸素濃縮しているとき、もう一方では減圧して吸着された窒素を遊離させて交互に用いている(PAS方式)
酸素供給流量、酸素濃度 得られる酸素濃度は40%まで。
流量非依存性。
 最高90%以上の酸素濃度を得られる。
 流量依存性
加湿の必要性の有無  不要  必要(一般的には2L/min以上の高流量の場合)
消費電力  吸着型より小さい 160W前後。  一般的に、膜型よりやや大きい(250W~440W)。
 ただし、最近の機種は省電力化が進んでいる。