免疫担当細胞
【第30回】、【第31回】、
- 免疫の機序に関与する細胞を免疫担当細胞という。すなわち,抗原刺激に対して,その特異性を判別して特異的に関与する細胞群をいい,T 細胞、B 細胞などのリンパ球やマクロファージなどが含まれる。
- また、白血球(好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球)も関与する。
T 細胞(リンパ球)
- 骨髄の造血幹細胞が胸腺thymus において特殊な分化を行ったあとT 細胞となる。T 細胞は,主に細胞性免疫をつかさどり,結核菌・真菌の感染防御,ウイルス感染細胞やがん細胞の排除,移植片の拒絶などの役割を担っている。
B 細胞(Bリンパ球)
- 胸腺を介さずに直接骨髄bone marrow で成熟・分化して作られることからB 細胞という。B 細胞は液性免疫を担当する。抗原の刺激を受けると,B 細胞は形質細胞とよばれる細胞へと分化し,抗原に対応した抗体を産生する。
ナチュラルキラー細胞(NK細胞)
- T 細胞にもB 細胞にも属さないリンパ球の一群であり,自然免疫系の細胞である。がん細胞やウイルス感染細胞などを,抗原非特異的に殺傷する能力を有している。
マクロファージ(抗原提示細胞)
- 大食細胞とも呼ばれるマクロファージは,活発な貪食能を有する細胞である。炎症局所で壊死組織や病原体などを貪食し処理する。
- 免疫反応においてマクロファージは,処理した抗原物質をT 細胞に提示するという重要なはたらきをもっている。そのためにマクロファージは抗原提示細胞とよばれる。
- T 細胞は,抗原提示細胞によって提示された抗原を認識することによって,免疫応答を開始する。