消化酵素

【第27回】、【第30回】、【第31回】、
消化酵素は、摂取した糖質、タンパク質、脂質を小腸で吸収できるように分解するのを助ける働きをもつ。臓器により分泌される消化酵素は異なる。また、消化酵素により、基質や分解産物も異なる。
 

消化液 消化酵素 基質 分解産物 1日の分泌量

唾液
アミラーゼ デンプン デリストリン、マルトース 1000~1500mL
プチアリン デンプン デキストリン
胃液 ペプシン タンパク質 ポリペプチド、オリゴペプチド 1000~3000mL
膵液 トリプシン タンパク質、ポリペプチド オリゴペプチド 500~2000mL   
キモトリプシン タンパク質、ポリペプチド オリゴペプチド
カルボキシペプチダーゼ タンパク質(C末端)  アミノ酸 
膵アミラーゼ デンプン  オリゴ糖 
膵リパーゼ  トリグリセリド  脂肪酸、グリセリン
腸液  アミノペプチダーゼ タンパク質(N末端)   アミノ酸 1500~3000mL      
ジペプチダーゼ ジペプチド   アミノ酸
マルターゼ マルトース   グルコース
ラクターゼ ラクトース  グルコース、フルクトース 
スクラーゼ スクロース  グルコース、フルクトース 
エンテロキナーゼ  タンパク質 アミノ酸 

 
※エンテロキナーゼは十二指腸から分泌される酵素。膵液中のトリプシノーゲンを活性化してトリプシンにする働きを持つ。
 

  • 消化管の運動 : 食道・胃=蠕動運動、小腸=蠕動運動・分節運動
  • 糖の消化について
      • 糖の消化は、咀嚼による機械的消化と、プチアリン(αアミラーゼ)による化学的消化が口腔で始まる。しかし、プチアリンは胃液の塩酸によって不活化されるので、胃内での消化は一端停止する。
      • 小腸ではアミラーゼが分泌され、さらに腸液によって完全に消化される。