血液凝固(止血)
【第26回】、【第27回】、【第30回】、【第31回】、【第32回】、
- 血液が固まることを凝固という。
- 血液は血小板にもそして血漿自体にも固まる性質がある。
- 血小板数の正常値は約30万個/μLである。
- 血清は血漿からフィブリノーゲンを引いたものにほぼ等しい。
- 血清=血漿-フィブリン
- 血漿が凝固能力(フィブリノゲン)を使い果たした残りが血清である。また血漿蛋白を電気泳動という方法で分離するとフィブリノゲンが現われるが,血清蛋白では現われない。つまり血漿はフィブリノゲンを含んでおり,血清は含んでいない。
- 血液凝固に関与
- 血小板
- フィブリン
- プラスミン
- カルシウムイオン
- ビタミンK
- 凝固因子には12種類あり,そのほとんどは蛋白質である。これらが順序よくつぎつぎに反応することにより凝固や線溶が行なわれている。
- 血友病はこのうちの凝固因子(第8因子、または第9因子)を生まれつき持っていない病気である。
- 凝固因子は肝臓で作られているものが多い。
- 肝硬変のような重症の肝臓病では凝固因子の産生量が減少し出血しやすくなる。なお,凝固因子の合成にはビタミンKが必要であり,ビタミンKの欠乏でも凝固力が低下する。
- 凝固過程にはカルシウムイオンが必要である。
- カルシウムイオン(Ca2+)は蛋白質ではないが重要な凝固因子の1つである。
- 血液凝固を阻止する物質を抗凝固剤という。
- カルシウムイオンは凝固因子であるから,ク工ン酸ナトリウムやEDTAによってカルシウムイオンを除去された血液は凝固しない。
- ヘパリンは凝固因子の働きを止めることにより凝固を防いでいる。
- ヘパリンは糖の一種である。血液が血管内で凝固しないのは血管の細胞がヘパリンを持っているからである動脈硬化つまり硬化した動脈ではヘパリンの産生が低下し血管内で血液が凝固しやすくなる。
- 経口の抗凝固薬もある。
- ワーファリン:ビタミンKの作用を消す。これを飲むと血液の凝固能が低下する血栓症の予防などに用いられる。採血した血液にこの薬を混ぜても抗凝固作用はない。