HOME | New臨床工学技士まとめサイト | 計測論 | 計測器の性能

計測器の性能

【計測器の性能】

  • 雑音対策として、測定対象に必要な周波数範囲のため計測器とフィルタを組み合わせることを想定している。
  • 計測器の入力インピーダンスが測定対象のインピーダンスよりも十分に大きくない場合は出力波形に歪みが生じる。
  • SN比は大きいほどよい。
  • 信号と雑音の比は、大きいモノほど雑音の少ない計測ができる。
  • 信号源のインピーダンスの影響を小さくするために入力インピーダンスは大きくする必要がある。
  • 入力換算雑音が小さい増幅器を用いる。
  • 分解能とは
    • トランスデューサの入力をある値から徐々に増加させたとき出力に変化が現れる入力増加分のことである(識別限界である)。
    • 検出した信号を記録、表示する最小単位が小さいモノほど精細に信号を表示できること。
  • ダイナミックレンジとは最大入力と最小識別入力(分解能)の比である。
  • 同相除去比は差動増幅器の性能を表す尺度として用いられる。
  • 差動増幅器では信号は逆(位)相入力で増幅され、外部雑音の1つである商用交流雑音は同(位)相入力で抑制される。
  • 必要な信号成分に対し直線性は高いほどよい。
  • サンプリング間隔は小さくするほど時間分解能が向上し再現性が良い。
  • 測定者に対する負担を考慮した場合、計測法はなるべく簡便にしかつ計測時間は短くするほどよい。
  • 生体信号の検出には安定性が高いセンサが求められる。
  • センサは信号の変化に対して高い線形性が求められる。

 
 
【周波数特性】 

  周波数域 振幅
脳波の測定 0.5Hz~100 Hz 50~100μV
心電図信号の測定 0.05Hz~100 Hz 0.5~5mV
筋電図の測定 5Hz~10 kHz 10μ~15 mV
眼振図の測定 0.05~20 Hz 0.1~0.5 mV
視覚誘発電位の測定 0.5Hz~300 Hz  
観血式血圧の測定 DC~30 Hz  
脳磁図計   2×10^-12~-13 T
心磁図計   5×10^-10~-11 T
容積脈波 30Hz以下  
心音図 20~1000Hz  

 
  
【入力インピーダンスと電極の特性】 

  • 電極に求められる条件としては、
    • 生体に安定して接触(固定)でき維持できること。
    • 電極と生体間での接触抵抗が小さいこと。
    • 電極と生体接触面に発生する分極電圧が小さいこと など。
  • 生体計測に使用する際には分極の小さな電極を使用する。
  • 電極で発生する分極電圧は電極に用いる金属の種類によって異なる。
  • 電極を用いた生体電気信号の誘導には、2点の電極を用いて電極間の電位差を測定する双極誘導と、1点の電極と結合電極などの不関電極を用いた単極誘導がある。
  • 銀-塩化銀などの不分極電極が使用される。
  • 電極接触インピーダンスは低いほど生体信号を取り出しやすい。
  • 心臓カテーテル室ではXが写りこみにくいカーボン電極がよく使用される。
  • エージングとは、銀電極を生理食塩水に一昼夜浸すことで塩化膜を形成させること。
  • 電極接触インピーダンスは周波数増加とともに減少する。
  • 接触インピーダンスを低下させるためには接触面積を大きくする。
  • 再使用型電極表面の塩化物被膜は、分極電圧を低下させるため、削り取らずに使用する。
  • 電極ペーストは電解質を含み、接触インピーダンスを低下させる。
  • 心電計に入力インピーダンスの大きな増幅器が用いられる理由は、信号源インピーダンスの影響を低減するためである。
  • 増幅装置に効率よく生体信号を伝達するため、増幅器の入力インピーダンスを高くする。
  • 電極接触インピーダンスには静電容量の成分があり、周波数が高くなるとインピーダンスは低下する。