【誤差の種類】
系統誤差
- 系統誤差とは、測定を繰り返したとき一定の傾向で現れる(測定値に偏りを与える)誤差である。
- 系統誤差には、理論的誤差、測定器誤差、個人誤差が含まれる。
- この誤差は、原因を究明出来れば対策(例えば計測器なら校正)により低減することが出来る。
- 計測器の校正を怠ると系統誤差が生じる。
理論誤差
- 系統誤差の1つである理論的誤差は、測定環境における温度の違いなどで生じる誤差であり、計算で補正することができる。
偶然誤差
- 偶然誤差とは、系統誤差や過失誤差を除いても残る原因不明の測定値にばらつきを与える誤差である。
- 偶然誤差は、経験的に正規分布に従うことが分かつているため、誤差を減らすために繰り返し測定し統計処理を行う。
- n回の測定値を平均すると偶然誤差は1/√nとなる。
- 100回の測定値を平均すると偶然誤差は1/√100= 1/10 となる。
- 偶然誤差はは統計処理によって小さくできる。
- 偶然誤差は正規分布となる。
- 偶然誤差は同じ割合(確率)で起こる。
- 偶然誤差は小さい誤差よりも数多く起こる。
- 偶然誤差はある程度以上大きい誤差はほとんど起こらない。
- 偶然誤差は正規分布に従い、そのばらつきの大きさを表す指標が標準偏差である。
標準偏差
- 標準偏差は測定値のばらつきの大きさを表す。
- 測定回数を増やすと、標準偏差は一定の値に近づく。
- 標準偏差が小さい測定を精密度の高い測定、測定値の平均と真の値が近い測定を正確度の高い測定という。
過失誤差
- 過失誤差とは、測定者の間違いによって起こる誤差である。
- 過失誤差は対策により除去可能である。
- 過失誤差の大きさは測定者によって異なるので一定にはならない。
量子化誤差
- AD変換により量子化誤差が生じる。
- 量子化誤差はAD変換において2進数に変換する際に生じる誤差である。
- 量子化誤差は、アナログ信号をディジタル信号に変換するときに生じる誤差であり、校正により除去できない
標準化誤差
- A/D変換時に生じる誤差。
- 連続時間的なアナログ量を離散時間的なディジタル量に変換する。
- 標準化誤差は、標本化の周波数により生じる誤差。
動誤差
- 動いている量を測定するときに発生する誤差。
- 校正では取り除けない。
相対誤差
- 測定値を2乗すると相対誤差は2倍となる。
- 測定値をn乗する場合(累乗)の相対誤差はn倍になる。
- 測定値を2乗をすると、計算結果に含まれる相対誤差が元の測定値の相対誤差の2倍になる。