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信号と雑音

【雑音】

  • 生体増幅器として差動増幅器を用いることによりハム雑音のような同相成分をかなり除去する事ができる。
  • 加算平均はSN比を向上させる。
  • SN比とはノイズNに対する信号Sの大きさの割合を表す。
  • 加算平均を n回行うと、SN比が√n 倍になる。
  • バッファアンプ(緩衝増幅器)は入力インピーダンスを大きくとる事ができ、微弱な生体信号の信号源電圧をそのまま増幅器に伝えることができる。
  • 生体計測で用いる増幅器はノイズ対策として高感度のものを使用する。

 
雑音の種類 

  • 雑音には増幅器・センサ等から発生する内部雑音と機器の外部から侵入する外部雑音がある。
  • 内部雑音には熱雑音・ハム雑音・ショット雑音・フリッカ雑音等があり、除去は難しい。
  • 内部雑音は広い周波数に渡り一様な周波数雑音スペクトルを持っている。
  • 差動増幅器では内部雑音を除去することは困難である。
  • 外部雑音はハム雑音や電気メス等の誘導雑音(静電誘導・電磁誘導)がほとんどであり、シールドである程度防ぐ事ができる。
  • 入力導線は外部雑音が混入しやすい部分である。シールド線を用い、シーノレド部をアースすることにより外部雑音の混入を防ぐことができる。

 
雑音の種類 
 

商用交流雑音  商用交流雑音は50Hzまたは60Hzの規則的な雑音である。
熱雑音  熱雑音は主に抵抗器から発生する(電気回路の電気抵抗の発熱は内部雑音である)。
 熱雑音は、抵抗などが熱を帯びることで電子などの荷電粒子が不規則な熱運動をすることで発生する。
 熱雑音は、温度(絶対温度)と周波数帯域幅に比例するため、雑音が問題になる場合、回路自体を冷却するか、あるいは帯域幅を小さくする。
  熱雑音はほぼ白色雑音(ホワイトノイズ)
  電子など荷電粒子の不規則振動に起因する。
 抵抗などの素子の温度が上昇し、電子などの荷電粒子が不規則な熱運動を起こすことで発生する。
白色雑音  白色雑音は、ドリフトは入力回路の小さな変動による出力側の緩やかな電圧変化のことであり、低周波として現れる。周波数帯域にエネノレギーが広く均一に分布する雑音である。
 電力は計測の周波数帯域に比例する。
 電力スペクトルはすべての周波数で一定となる。
ドリフト雑音  ドリフト雑音は直流または低周波雑音である。
ショット雑音  トランジスタなどの増幅素子自体から不規則に発生する。
ハム雑音   ハム雑音は、電源トランスなどから漏れる交流成分による雑音で、回路に直接混入し発生する。
  外部雑音として電源トランスなどから漏れる交流成分による雑音で直接回路に混入する。
 一般に商用交流雑音がハム雑音と呼ばれる。
クリック雑音  接点や回路の接触不良によって生じる雑音である。
フリッカ雑音  クリック雑音は、接点や回路の接触不良により生じるごく短時間の雑音である。
  フリッカ雑音(1/f雑音)は、抵抗体やトランジスタなどから発生し、低い周波数ほど雑音量が大きくなる(周波数に反比例する)。
 抵抗体やトランジスタなどから発生する。
 1/f雑音は低周波数帯で大きく増幅される。
 低い周波数ほどパワーが大きくなる特性を持っている(周波数に反比例)。
量子化雑音   量子化とは、波形の大きさ(振幅)や画像における色の濃淡のデジタル化をいう。
 量子化雑音はAD変換に伴って発生する振幅成分の雑音である(AD変化に伴い振幅側の変化が連続しなくなることで生じる)。
マイクロフォニック雑音  マイクロフォニック雑音は、電極の機械的振動により電子流が変化することによって生じる雑音である。